2021年3月5日（金）テアトル新宿ほか全国公開
ホリプロ60周年記念作品
映画『NO CALL NO LIFE』でW主演を務めた
優希美青ちゃん、井上祐貴くんに独占インタビューをしたよ！
『NO CALL NO LIFE』、高校生のキラキラなラブストーリーかなと思ったら、シリアスな内容で、演じるのにエネルギーが必要だったのではと思いました。有海と春川を演じた感想をぜひ教えていただければと思います。
井上：春川を演じるのはやっぱり苦しかったですね。生半可な気持ちでは演じられないというか。大切で大好きな母親から愛されずに生きてきたっていうのは、僕自身の経験からは全くわからなくて、ずいぶん悩みました。
終わってみて、ほんとにお芝居の面では有海役の優希美青さんに助けて頂きましたし、春川をつくっていく上では、監督にもプロデューサーさんにもすごく助けて頂きました。振り返ると、到底一人ではなし得なかったことだなと、改めて思います。
ー自分でもびっくりするぐらいの演技ができたとか、そういう実感はありますか？
井上：自分一人じゃ絶対できなかった事ばかりです。演技もそうですが、春川の考え方だったり、それをどう表現するかについても、新しい発見がいっぱいありました。
井上祐貴 Inoue Yuki
1996年生まれ、広島県出身。第42回ホリプロタレントスカウトキャラバン審査員特別賞受賞（2017）。ブロードウェイミュージカル「ピーターパン」（2018）でデビュー。これまでの主な出演作品には、映画「劇場版ウルトラマンタイガ ニュージェネクライマックス」主演（2020）、テレビドラマ「ウルトラマンタイガ」主演（2019）・「13（サーティーン）」（2020）・「ひまわりっ 宮崎レジェンド」（2020）などがある。
優希さんは、有海ちゃんを演じてみていかがですか？
優希：初めて台本読んだ時は、難しい役だなと思いました。でもいざ撮影に入ってみたら、意外とすんなりとできたというか、共感できるところがたくさんありましたね。
最初は、有海に対して何も共感できなかったんです。撮影に入る前に、有海は私そのものだと監督に言われたんですけど、「どういう事だろう」って思って。「どういう子なのかわからない不思議な子だな、つかめない子だな」と思っていました。
監督は私に最初に会った時、私の闇の部分を感じたみたいで。「いつも隠してる闇の部分を今回は表に出してくれたら、それが有海になるから、そのままの素でやってください」「お芝居をしないでください」って仰ったんです。お芝居をしないことを意識して演じる作品というのは初めてでしたし、最初は難しいと思ったのですが、いざやってみると「そういうことなんだ」と気づくこともたくさんありました。夜中に脚本を読んでいる時って、「眠いし覚える時間ないな、あした覚えよう」と普通はそれで終わる時もあるのに、次の日、台本を見たら不思議と覚えているんですよ。それぐらい有海の気持ちに共感できましたし、スッと自分のものになった役でしたね。
優希美青 Yuki Mio
1999 年生まれ、福島県出身。
「第37回ホリプロタレントスカウトキャラバン 2012」でグランプリを 受賞し芸能界入り。NTV「雲の階段」で女優デビュー。2013 年には「空飛ぶ金魚と世界のひみつ」で映画初主演。出演作に NHK 連続テレビ小説「あまちゃん」(2013)、映画「ちはやふる−結び−」(2018)、映画「うちの執事 が言うことには」(2019)などがある。 近年ではNHK BS 時代劇「赤ひげ3」、映画「10万分の1」に出演。
ー最初共感できなかったけれど自分のものになっていったというのは、何かきっかけがあったんでしょうか。有海を理解できた瞬間があったのですか。
優希：監督に「自分の素で」と言われてから、「自分ってなんなんだろう？素ってなんなんだろう？」と、見つめ直してみたんです。
有海って、親からの愛情を知らないじゃないですか。私は親から愛情を受けてこなかったわけではありませんけど、中学校1年生からお仕事を始めて、中1から中3という思春期に、お仕事で朝から夜まで家にいないことが多かったんです。地方ロケも多くて、学校からそのままお仕事に行くこともあって、お母さんとあまり話ができなくて。周りの子たちの、家族で旅行に行ったとか、家族みんなで夜ご飯を食べるんだとか、そういう当たり前のことが「うらやましいな」と思っていました。だから、環境は違うけど、「他の家族がうらやましいな」とか、「親と仲がいいのがうらやましいな」と思う気持ちは、わからなくはないんです。いざそうやって掘り下げていったら共感することが多くて。監督が一瞬で私の中にある有海の部分を感じ取られていと事にびっくりしました。。
お互いの演技についてはどう思いましたか？
井上：僕は本当に助けて頂くばかりでした。自分一人で家で練習してみても限度があるし。実際に現場に行って読み合わせしたり、初めて台本をもとにお芝居してみると、やっぱり優希さんはさすがです。改めて「すごく助けられて頂いているな」と感じました。
途中からは「ここって、どんな感じになるんだろう」「僕はこう思うけど、有海はどんな感じで来るんだろう」と思って、演じるのが楽しみでしたね。それで返ってきた反応に「ああやっぱそうだよな」とか思うと安心しましたし、「あ、そういうことか」って教えて頂くこともありました。
ー優希さんは、井上さんとの共演はいかがでしたか？
優希：監督からは、「もちろん井上君が春川をつくるんだけど、有海も春川をつくるんだ」って言われたんです。彼が持ってきた春川に、より春川感を付け加えられるのが有海。有海がどう出るか、どう引っ張るか、引き出すか。最初のほうでは、「春川の分も、役作りを頼んだよ」とおっしゃっていたんです。なので私は、「どうやったらもっと春川っぽさを引き出してあげられるんだろう」「どんな有海が近くにいたら、より春川になれるんだろう」と考えていました。。
ー確かにストーリーの中でも、けっこう有海ちゃんが恋愛の主導権を握っていて、春川くんに与えている影響が大きかったですよね。
この作品は、10代の繊細な気持ちを、すごく丁寧に描かれている作品だなと思います。ご自身の10代の時を思い返して、二人の行動とか考えていることで共感するポイントはありますか？
井上：僕は今からしようとしてる事を自分の中で解決しちゃう、悪く言うと報告しないタイプなんです。でも、それは隠したいからではなくて、心配させたくなくて「ま、言わなくていいか。自分一人で何とかしよう」という感覚になることがあって、春川にもそういうところがあったので、そこはすごく共感できた部分です。
ーそれは大人になった今も変わらずですか？
井上：はい。例えば、何か親に言うとしたら、こまめに連絡したりするよりは、帰省した時とかにまとめて報告するタイプですね。
ー優希さんはいかがですか。
優希：「有海と一緒だ」っていう部分はないのですが、私も有海の立場だったら迷わず春川と一緒に逃げたと思います。
ーええー！
優希：有海の言う事・やる事がすんなりと受け入れられたから、自分がこういう性格で良かったなと思いました。現実に春川みたいな人が現れたら、たぶん周りの大人が心配しちゃうと思います(笑)。
ー優希さんは、本当に有海ちゃんにぴったりだったんですね。
優希：演じていて、春川がだんだん愛おしくなってきちゃうんですよ。危なっかしくて。過去のお母さんのことだったり、自分の過ちを言ったら嫌われるんじゃないか、そんな不安を打ち明けてくれる時も、「ついてるよ、大丈夫だよ」って、ナチュラルにそういう気持ちになれました。
絶対ここは見て欲しいというシーンを、教えていただきたいです。
井上：ポスターのシーンは、見て欲しいです。
優希：可愛いんですよね。「制服汚れるぞ」って思っちゃった。
井上：そう！いきなりこうなるんですよ。一瞬「えっ？」てなるけど、不思議と馴染んでるシーン。だからポスターのビジュアルにもなっているのかなと思います。見れば見るほど、すごく面白いシーンですよね。水たまりに寝転ぶなんて、あり得ない行動をしていますが、作品の中では、「この二人ならやるか」みたいな感じが伝わればいいなと思います。
ー確かに。春川がどういうキャラクターなのか、すごくわかりやすかったシーンですよね。
ー優希さんはいかがですか？
優希：私は、二人で花火をべランダでしているシーンが好きです。この作品全体を通せば、切ない恋、痛い恋かもしれないけれど、でもそういう楽しい時もあって、それが幸せだから一緒にいたいという二人の気持ちがある。だから、その楽しい瞬間も、ぜひ注目して見てもらえたらなと思います。
最後に、Nom de plumeの読者は10代の女の子も多いので、ご自身の10代の時のことを思い出して、「これはやっておけばよかったな」ということをぜひ教えてください。
井上：僕は体がすごく硬いんですよ。運動はサッカーをやってたんですが、体が硬くてもできたんです。でも、今になってアクションをやりたい！となったときに、全然足が上がらなかったりして。柔軟とかストレッチをやっておけばよかったなと思います。
あとは英語です。語学系はやっぱり小さい頃に触れておくかどうかで、全然違うんだろうなと思います。英語がしゃべれると「おー」ってなるし、将来が広がりますよね。
ー優希さんは、ありますか。
優希：10代は、やっぱり恋じゃないですか。みんな、恋をしましょう！制服でデートとか、憧れでしたね。他校の彼が迎えに来るとか。
井上：ドラマとかでよくありますね（笑）
優希：妄想しか膨らまない（笑）
ーありがとうございました。
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■作品情報
Story
怖いものなんて何もなかった
高校３年生の夏、携帯電話に残された過去からの留守電メッセージに導かれ、佐倉有海は学校一の問題児・春川と出会い、そして恋に落ちた。親の愛を受けることなく育った有海と春川。似た者同士のような2人の恋には、恐いものなんて何もないと思っていた。明日、地球に隕石が衝突して世界中の人類が滅んで２人きりになったって、困ることは何もないような気がした。無敵になった気分だった。それはあまりにも拙く刹那的で欠陥だらけの恋なのに・・・。やがて、時を越えた留守電が有海の衝撃の過去を浮かび上がらせる。一方、母親にも見捨てられ、学校でも厄介者となり、警察にまで追われる身となってしまう春川。それでも2人は一緒にいれば何かできる、何とかなると思っていたのか・・・。そんな2人には、あまりにも切ない衝撃の結末が待っていた――。
ホリプロ60周年記念映画『NO CALL NO LIFE』
2021年3月5日（金）テアトル新宿ほか全国公開
出演：優希美青 井上祐貴 犬飼貴丈 小西桜子 山田愛奈
駒木根葵汰 篠原篤 熊木陸斗 大水洋介 和田聰宏 諏訪太朗 木下ほうか
永岡佑、桜井ユキ
脚本・監督：井樫彩
原作：『NO CALL NO LIFE』著・壁井ユカコ（角川文庫刊）
主題歌：「ふたりがいい」とけた電球
製作：堀義貴／藤田浩幸／川村英己／多湖慎一／河原達／渡辺勝也／斉藤晃／黒石和宏
エグゼクティブ・プロデューサー：津嶋敬介 企画・プロデュース：佐藤慎太朗 プロデューサー：楠 智晴
音楽：松本淳一 撮影：早坂 伸（J.S.C.） 照明：田島 慎 録音：西條博介 美術監督：山下修侍
編集：宮島竜治（J.S.E.） 音響効果：廣中桃李 衣裳：藤山晃子 ヘアメイク：反町雄一 助監督：田口 桂 制作担当：高瀬博行 宣伝プロデューサー：篠 友子 企画・制作：ホリプロ 宣伝：MUSA 配給：アークエンタテインメント
製作：「NO CALL NO LIFE」製作委員会
（ホリプロ／電通／アークエンタテインメント／メ〜テレ／ハーキュリーズ／トーハン／東放学園／ノスプロダクター）
2021年／日本／カラー／アメリカンビスタ／DCP5.1ch／ＰＧ-12
公式サイト：Nocallnolife.jp 上映時間：107分
公式Twitter：@ncnl_movie 公式Instagram：no_call_no_life_movie #NCNL
(c)2021映画「NO CALL NO LIFE」製作委員会
