全世界で空前の社会現象を巻き起こした
アクション超大作『マトリックス』の
新章『マトリックス レザレクションズ』が、
12月17日(金)に全国公開!
主演はもちろんキアヌ・リーブス、
監督はシリーズ通して手掛けてきた
ラナ・ウォシャウスキーと主要メンバーは続投し、
新キャラも登場して、
『マトリックス』を
めぐる新たな物語が展開される。
今回『マトリックス レザレクションズ』の
“日本語版インスパイアソング”として、
「MY FIRST STORY」が担当・楽曲を書き下ろし!
MY FIRST STORYボーカル・Hiroさんに
インタビューをしてきました☑️
楽曲制作の裏側や『マトリックス』への思い、
Hiroさんの10代についてなど沢山お話してくれました!
今回オファーを貰った時、プレッシャーと喜び、どちらの気持ちが強かったですか?
戸惑いの方が大きかったですかね(笑)「何で俺らなの!?」みたいな(笑)
『マトリックス』という作品をほとんど知らない人がいない中、「何で自分達が選ばれたの?」って感じで、喜びっていうよりも、戸惑いとか恐れ多いっていう感覚でした。なので、正直まだ実感できていない部分もあります。
【制作の裏話】歌詞について。
ーー歌詞の中に今までの『マトリックス』の歌詞や物語を盛り込んでいると思います。
『マトリックス』のインスパイアソングを制作させて貰うにあたってメロディやオケでは「マトリックスっぽく!」というのは一ミリも意識していないんですよね。
自分の中では、一番歌詞の部分を気をつけていましたね。歌詞にすると、言語化するじゃないですか。「監督の意志に気をつけたい」という気持ちがあったので、歌詞という如実に伝わる部分で間違った表現をして誤解を招かないよう、100%歌詞に集中していました。
歌詞を書くにあたって、僕が歌詞の中で表現することって『マトリックス』のあらすじを説明する事でもないし、伝えたいことを僕が代弁する事でもないと思ったんですよね。僕のその考えが監督さんにとっての正解かさえも分からないじゃないですか。
でも大きな枠組みとして最終的に伝えたいことは「愛」と決まっていたので、僕としては「自分で好きに遊んでいいよ」って言ってもらえている感覚だったんですよね。映画の中に歌詞に使えそうなワードはたくさん散らばっているし、自分だったらこう考えるなって部分も当てはめられたので、とてもやりやすかったですし楽しかったです。
ーーもし「歌詞を変えてもいいよ」と言われたら「変えたい」と思う部分はありますか?
自分から変えたいと思うところは無いんですが、『マトリックス』さんサイドからあればなるべくそこに寄り添いたい気持ちはありますね。
ーー『マトリックス』側からのリクエストはどんなものがあったんですか?
沢山リクエストがあったんですが、逆にそれで助けられた部分もあったんですよね。例えばサビ始まりとかは英語がいいって言われていて、僕も英語がよかったんですよ。
やっぱり邦楽って一般的に聴くのも日本人ですし、僕たちも日本人がやっているバンドなので、サビ始まりは日本語の方が良かったりするんですよね。でも「このメロディで日本語を入れたらちょっとダサいなぁ。英語の方がハマるなぁ。」って思いが強くあって、最初は日本語か英語にするかで迷っていたんです。そんな時に『マトリックス』側から「英語がいい」と最後のひと押しをしてくださったので本当に助かりました。こうしてほしいってリクエストを言ってくださったのは本当にやり易かったです。
ーー『マトリックス』側からもし要望がなかったら曲のタイトルも「PARADOX」では無かった可能性も?
全然ありますね!
ーータイトルの候補は「PARADOX」以外にもあったんですか?
一番最初、サビ始まりの「Never let you down」を仮タイトルにしていたんですよ。でもタイトルを見た時にちょっと分かりにくいと言うか、「マトリックスぽくないな」と思ったんですよね。
歌詞は割と『マトリックス』の世界観に寄り添いながら自分の観たもの、感じたものを混ぜ込んで作ったんです。せっかくそこまでしたならタイトルも近いもの、『マトリックス』を感じられるものがいいなと考えた時にパッと出てきたのが「PARADOX」でした。「PARADOX」はサビ終わりに歌詞としてはめられるし、「マトリックス」と「パラドックス」で韻も踏めているのですごくいいなって。出てきたときは「これしかない!」っていう感覚でした。
なので仮タイトルの中でも「PARADOX」は圧勝で、迷いは全くなかったですね!
ーーサビで「Never let you down」のワードを選んだ理由は?
この言葉はどの立場の人でも当てはまる言葉だと思っているんですよね。『マトリックス』の作品の中で、トリニティーはネオに対して思っているし、ネオは全人類を救いたいってザイオンにも思っているし、モーフィアスも、もはやスミスさえもそう思っているんじゃないかって思うんです。全員に当てはまる、ハマりもいいって言う意味でこの言葉を選びました。
今回の楽曲「PARADOX」への思い。
今回の楽曲は僕らの新たな挑戦でもあります。今までの曲では、サビは日本語が多かったり、作品に自己中になれなかったんですよね。でも今回はオケの段階から音数抜いて、「Bメロとかバンドを使わなくていいじゃん!無理に使って自分達のエゴを入れるよりも、もっと俯瞰で見て作品としていいものを作ろうよ!」って考えがあって完成しました。だからパッと聞いた時、今までの僕らとは違うものに感じると思います。
みんなが僕らに求めているものとはちょっと違うかもしれないですが、僕の中ではこれが「MY FIRST STORY」というバンドでできる限界かなって思っています。
これ以上やっちゃうとちょっとソロっぽくもなってしまうとも思っていて、これがバンドで出せるギリギリラインってところまで責めました。今までの僕らもありつつ、新しいことに挑戦しているんだなって何となく意識して聴いて貰えたら嬉しいです。
『マトリックス レザレクションズ』に関わって学んだことや成長できた事は何でしょうか?
僕にとって『マトリックス』って小さい頃に観た記憶しかなくて、シンプルに「アクション映画だな」って感覚だったんですよね。でも今回、インスパイアソングを書かせて貰う事になってから今までの作品を見返してみたんです。見返してみたらアクションももちろんあるけど、描かれている人間模様といいますか、ヒューマンドラマ的なものが沢山あって、当時小学生だった僕には理解できなかった内容がたくさん織り込まれていて沢山考えさせられましたね。
あとは『マトリックス』ってセリフの中でも知的表現がすごく多いんですよね。「自分だったらこう言っていたけど、こういう言葉の表現もあるんだ」って学べました。バンドに活きることもたくさんあって、音楽の面でも成長できたかなって思います。
ーー特に印象に残っている『マトリックス』内での知的表現は何ですか?
僕は直接的に言わない比喩表現みたいなものが好きだったりするんですよね。今までの作品の中で「真実が知りたかったら白いウサギを追え」、「シルクでケツを拭く様な感覚が実に大好きだ」といった表現があって、とってもアナーキーでかっこいいなと思って印象的です。セリフで出てくる言葉の表現が自分の感性の中では全くなかったですし、1個1個のセリフさえも監督のセンスを感じましたね。
青春時代、『マトリックス』から具体的に影響を受けたことを教えてください。
小学校3、4年生くらいなので自分の中での青春と呼べるかはわからないんですが、初めて観た時、屋上で弾が除けるシーンがすごく印象に残っていて「カッケー!」って思ったのを覚えています。あのシーンって曲で言ったら大サビみたいな瞬間なんですよね。当時の僕からしたらあの感じがたまらなくて!とりあえず真似したくてベットの上で一人でもやっていたり、同級生とふざけあったりをずっとしていました。
なので『マトリックス』が自分の記憶の中にタトゥーのように刻まれている感覚があったんですよね。「マトリックス」っていう単語も自分の中ではすごく印象的でしたし、縦に羅列している文字の近未来感やSF感というものが、あの当時は斬新すぎて「なんだこれ!?」っていう事が多かったんですよね。
大人になった今改めて観ると「あの頃見ていた映画はずっと複雑で、ずっと深いものだったんだな」って改めて感じさせられましたね。
ーーHiroさんが思う『マトリックス』の魅力ってなんだと思いますか?
入り口は子供でも分かるくらいにとても分かりやすくて考えられる映画だけど、ドアを開けていけばいくほど深くなって難しくなっていくのがこの作品の魅力だと思います。入口わかりやすいのに奥めっちゃ深いみたいな。
最初の入りは「この現実が仮想空間だったら」ってだけすごく分かりやすいじゃないですか。でもそこからそれぞれの立場にいるキャラクターの感情や、思うことをストーリーに広げていったところがマトリックスの魅力だなって感じます。これまでの3部作品で、ただの仮想空間のアクション映画で終わらず人間模様を描き出した『マトリックス』は物語として完成されているという思いが凄くありました。
ーーそういう思いでこの最新作を観て、改めていかがでしたか?
僕の中では3部作で完結していたんですよね。なのでこういうシリーズ物のあるあるだと思うんですが、「次なにするんだろう?どうするんだろう?」と思っていました。
こういう続編があると、視聴者側でキャストだったりストーリーだったりの論争が起きがちだと思うんですけど、僕としてはこの映画を観させて貰った時に、必要最低限の「ここだけは絶対外せない」って部分がしっかり押さえられていたので、全然抵抗なく観る事ができました。それこそトリニティーとネオはそのままで、モーフィアスは別の形でアプローチをしてきますし、新しい登場人物も出てきますが全く関係ない人物でもなくて。思い出も遡りつつ観れたので、楽しく観れました。
あとは今風にもアレンジもされていたんですよね。今までだったら「不思議の国のアリス」とか、誰もが知っている昔の童話を使った知的表現が定番だったと思うんですけど、今回は「ラプンツエル」とか、結構近代的な比喩表現をしていて、「そういうアプリーチをしてきたのか。だから今までのキャラの立ち位置が今回は違っているのか。」って自分の中ですごくしっくりきたんですよね。なので4作目はまた新しいものっていう感覚が自分の中で強かったですね。
今までの3作品を観ていれば更に楽しめると思います。
最新作のお気に入りのキャラクター&シーンを教えてください。
僕が一番印象的だったシーンは、ネオが同僚とカフェに居る時に、トリニティーが子供を連れてそのカフェに入って来たシーン。ネオの同僚がトリニティーをナンパした時、後ろに居たトリニティーの子供があるセリフを出して来た瞬間、「え!こんな映画だったけ!?」って凄く印象的だったんですよね!(笑)今までの3部作では絶対にありえない、日常会話がバッて出てきた瞬間だったので凄くリアルに感じました。
『マトリックス』って、何が真実かわからない、真実と向き合うって事を考えさせられる映画だと思います。今SNSの時代も、何が真実かを自分で見分ける力が必要になってくると思っているのですが、Hiroさん自身、SNSとの向き合い方はどうされていますか?
僕の場合、SNSは自分の都合のいい情報だけ入れるようにしています。僕は結構、猜疑心強めというか、天邪鬼でもあるので、「これネットに載ってたよ!」とかって言われると、「さもネット=正解みたいな考え方しているけど大丈夫!?」って思います(笑)。僕はインスタしかやっていないんですが、インスタも自分が苦じゃないように更新できる時にするって感じで、エゴサとかもしないですし、あんまりSNSに囚われすぎたくないなって感じですかね。ケータイも娯楽として持っているって感じで、極力電話とメールができれば全然それだけでいいですね。なのでそんなに僕、SNSにこだわりを持ってないです。
ーーHiroさんにとってSNSって何ですか?
プロモーションの1個ですかね(笑)そのくらい割り切って僕はやっています!(笑)SNSでわざわざ日頃の感情をワーッて書くこともないですし、別個として考えています。舞台の裏側を更新したり、なるべく痛くならないようには気をつけていますかね。
ーー自分でSNSを見ることはほぼ無いですか?
外国人のおもしろ動画とかは見たりします!オススメで出てきたりすので、そこでパッと見たり、あとは料理のレシピとか「うまそー!」って思いながら見るぐらいですかね(笑)その2つしか見てないかもしれない(笑)
でも基本SNSは移動の合間に車の中で見るぐらいで、家にいる時とかは見ないですね。
10代の子へのアドバイス
僕が10代の子によく言うのは、「今のうちに悪いことをいっぱいしといた方がいいよ!」
19歳までが国が守ってくれるギリギリの年齢なので(笑)。大人になると税金とか収めなきゃいけなくなったり、いろんな柵が本当に出てくるんですよね。なので19歳までは、法に触れない程度に国に死ぬほど迷惑かけていいと思います。
ーーHiroさん自身、人に言える範囲でどんな悪いことをしてきましたか?
…人に言えない話しかないなぁ(笑)
高校生の頃は、高校2年生まで学校にあまり行かず友達も出来ずって感じで、僕は相当インキャの方だったんですよ。でも高校2年生くらいの時に、ふと「俺が学生って言っていられるのって、どう長く見積もっても人生の中で5年くらいしかないのか。おっさんって言われる時間の方が圧倒的に長いんだ!」って気づいた時に「怖い!やばい!学生って言って逃げてられるのってマジで今しかない!」と思ったんですよね。
高校2年生までは話し合いとかメンドくさいと思っていたんですけど、僕は大学に行く気が無かったので、「この1年楽しんでおかないとマジでやばい!」と気づいてからは、「それさえもしておかないとまずいぞ」と思い始めて、高校3年生になってから急に行事実行委員とか、体育祭や文化祭をまとめる人とか、軽音部に入りだしたりしていました(笑)。
基本的にみんな受験なので高校3年生から部活に入ったりするのは基本禁止なんですけど、どうにか交渉して入れてもらって、高校3年生だけ急に謳歌し出すっていう(笑)。
ーー高校2年生までのご自身を「インキャだった」と仰っていたじゃないですか。周りの反応は「急にどうした!?」ってなりませんでしたか?
「どうした!?急になんだ!?行事実行委員とか絶対まとめられないでしょ!」って、「急にナニ!」みたいな空気でしたね(笑)
でも本当、「学生って人生で言っていられる時間って短い!」ってその当時は思っていたんですよね。それこそ大学に行っていたら違っていたんでしょうけど、あの時は「楽しんでおけばよかったな」って思いますね。
学生にとっては学校が一番大きい社会なんですよね。でも大人になると職場って社会が一番大きいけど、逃げ道は他にも沢山あるじゃないですか。プライベートの恋愛だったり、友達に会って飲むとか、趣味の時間に費やすとか、逃げ道はたくさんあって、でもあの頃ってやっぱり帰る家は実家だし、家の外では学校に行く、学校の友達と会うとかって縛られた社会でしか生きられなかったから、凄く窮屈に感じるしいっぱいいっぱいになりがちなんですよね。本当に学校って思っているより小さい社会だし、THE!勉強!っていうよりも、人間関係や人付き合いを学ぶのが一番だと僕は思います。
ーー総じて「たくさん悪いことをしろ!」ですね!
そうですね!(笑)本当になんとかなるから!(笑)
ーHiroさんは高校3年生の1年間で悔い無くたくさん謳歌できましたか?
高校3年生でできる限りはやったつもりなので悔いはないですね!でも、今の収入と立ち位置で15歳に戻れたら最強だなとは思いますよね(笑)
ーありがとうございました。
Hiro (MY FIRST STORY) プロフィール
2011年夏、東京渋谷でMY FIRST STORYを結成。
2012年4月に1st FULL AL「MY FIRST STORY」でデビュー以降、確かな楽曲、ライブパフォーマンスが話題を呼び、全国の大型フェス出演や海外アーティストとの共演も数多く務め、着実に実力を付けた。
2016年の最終公演は日本武道館にて開催、12,000人を動員しSOLD OUT以降、数々のアリーナでの公演を実現させた。
コロナ禍以降、開催が出来ていなかったアリーナ公演を2022年2月10日、東京・日本武道館にて行う。絶えず進化を遂げる孤高のロックバンド。
映画「マトリックス レザレクションズ」作品情報
<『マトリックス レザレクションズ』ストーリー>
もし世界がまだ仮想世界=マトリックスに支配されていたとしたら? ネオ(キアヌ・リーブス)は、最近自分の生きている世界の違和感に気付き始めていた。 やがて覚醒したネオは、マトリックスに囚われているトリニティーを救うため、何十億もの人類を救うため、マトリックスとの新たな戦いに身を投じていく。
作品タイトル:『マトリックス レザレクションズ』 公開日:12月17日(金)全国公開
『マトリックス レザレクションズ』
原題:『THE MATRIX RESURRECTIONS』
監督:ラナ・ウォシャウスキー
出演:キアヌ・リーブス、キャリー=アン・モス、ジェイダ・ピンケット・スミス、ヤーヤ・アブドゥル=マティーン2世、プリヤンカ・チョープラー・ジョナス、ニール・パトリック・ハリス、ジェシカ・ヘンウィック、ジョナサン・グロフ、クリスティーナ・リッチ
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